先日、友人たちと共に皇居の勤労奉仕に四日間参加してまいりました。
その際に現在の天皇陛下と皇后陛下のご会釈があり、お二人のあり方が大変素晴らしく感動しましたので、こちらのコラムで紹介したいと思います。
勤労奉仕
勤労奉仕ってご存知でしょうか?
皇居で三日、赤坂御所で一日除草や清掃などをするボランティアで、昭和20年に皇居が焼失した際に「何か手伝いたい」と申し出た方々が始まりだそうです。
その際に、皇居で天皇・皇后両陛下と、赤坂御所で皇太子殿下のご会釈があります。
特に近頃は天皇陛下が変わられるということで、お会いすることができる勤労奉仕がとても人気だそうです。
我々の団も何度か申し込みましたが抽選に外れ、三度目の正直で参加となりました。
皇居
我々は今回一日目から三日目まで皇居でした。
途中に赤坂御所の日、というパターンが多いそうなのですが、初参加なので何も違和感なく三日間皇居におりました。
皇居は本当に広いため三つのエリアに区切り、それぞれ一日がかりでご紹介いただきながら見学してまいりました。
なお、皇居内には勤労奉仕と一般参観の方のみ入ることができる売店があり、そこにはお菓子や菊の御門入りグッズがたくさんおいてありました。
(お財布が人気だそうです)
四日間人がたくさん押し寄せている光景を見て、「ここでしか買えない」「菊の御門入り」効果の凄さを感じていました。
(私もお菓子や冷酒グラスなどいくつか購入いたしました)
宮殿地区
一般参賀で皇族方が手を振られるテラスがあるのが宮殿で、こちらは天皇陛下の執務される部屋があったり、さまざまな行事等に使用されるのでテレビでも良く見られるかと思います。
宮殿内ではお庭だけ見学をさせていただきました。
それはそれは見事な庭園で、16種類くらいがひとつの大きな刈込になっているものがあったり(亀のような形です)、蛍がいる滝があったりと、思わずわあっと声が出るような素敵なところでした。
国賓の方々も宮殿内からご覧になるので、それはそれは立派な庭園を造られていることなのでしょうね。
東御苑地区
江戸城があったエリアで、こちらは一般の方々が入れる公園になっています。
江戸城跡の芝生に、大嘗祭の時に使用する建物を建てられるそうで、今回はその芝生で除草しました。神聖な儀式のためこの芝生には除草剤は撒けないため、勤労奉仕団の手で除草されるようです。
公園内に大嘗祭の模型がありましたので、機会があればご覧になってください。
吹上地区
天皇、皇后両陛下のお住まい「吹上御殿」があるエリアです。
こちらには宮中三殿やお田植される田んぼ、蚕のための桑畑が3か所、天皇陛下がハゼやタヌキの研究をされているところ、盆栽を育てているところなどがありました。
こちらのエリアは昭和天皇のご意向により、自然をそのまま残しているそうで、大変自然豊かなエリアでした。(実際にはそのまま残しているように、手入れはしているようです)
皇居の中は基本的に外界の音が聞こえてこなく、本当に東京のど真ん中にいるのか?ここは軽井沢ではないか?と錯覚してしまうほど自然豊かでした。
中でも吹上地区は自然豊かで、天皇陛下がお好きな沖縄の桜が道にずらりと植えられており、ちょうどきれいに咲いていました。
天皇陛下が執り行うお祭りで使われる宮中三殿のあたりはなんとなく神秘的な印象でした。
赤坂御所
今回赤坂御所は最終日でした。
園遊会が行われる素晴らしい庭園があるところでした。
参加者が写真撮影するのはNGなのですが、宮内庁の方に写真撮影していただけるのですが、それがまさに園遊会の会場を背景にした場所での撮影でした。
皇居では実はそれほど作業はしておらず、ただ赤坂御所ではしっかり作業がありました。
小高い山で切り落とした枝や葉を運んだり、男性陣は木の根っこを抜く抜根をしたり、落ち葉を掃いたりと、勤労奉仕団を戦力とされているご様子がうかがえました。
もちろん我々は力仕事をするイメージで行っていたので、赤坂御所では役に立った満足感がありました。
(皇居での三日間は作業よりもほぼ皇居内見学です)
ご会釈
我々は三日目に天皇、皇后両陛下のご会釈がありました。
(非公式に軽く挨拶をされることをご会釈というようです)
ご会釈の部屋では携帯電話の電源はOFF、手荷物は置いた後にボディチェックを受けます。そして壁沿いをあるいて各団の整列場所に行き、美しく整列します。
30分ほど待ち時間があったのですが、その間も涙を流されている方がいらっしゃいました。
しばらくして、両陛下が来られました。部屋に入って来られると場の雰囲気が変わりました。
各団の団長(今回は6団体)にご下問されるお言葉一つ一つ、両陛下の雰囲気に慈悲や慈愛を感じました。
福島県の団体がいたのですが、今でも震災の影響を心配されているご様子を拝見し、国民のことをどれだけ気にかけていらっしゃるか垣間見ることができました。
ご会釈が終了して車で移動されるのですが、そのときもずっと手を振ってくださっていました。(テレビでよく見かける光景でした)
実は私はそれほど皇室について詳しくないのですが、そんな私でもお二人の存在、雰囲気が特別なものだと感じました。
皇室という特別で、自分の意志だけで全て行えるわけではない環境にいらっしゃることは、私が想像するよりも遥かに大変なことだと思います。そして国民のために人生を生きられていると思うと涙を流さずにはいられません。
あれだけ慈悲、慈愛に満ち溢れている両陛下とお会い出来たことは、一生の思い出となるでしょう。
最後に
四日間毎日5時起きすることは大変ではありましたが、それをしても十分なくらい特別な経験をさせていただいたように感じています。
また機会があれば参加したいと思います。