見栄という鎧を脱いで 自由を手に入れた話

「あ、このクレジットカード、なんか使えないみたいです……」

店員から言われて、身体中の毛穴からどっと汗が吹き出しました。

 

「そうなんですね! じゃあ、別のカードでお願いします!」

と明るく、なんでもないという感じで、当時の私は別のクレジットカードを財布から取り出しました。

 

 

「やばい、カードの限度額いっぱいになってた!! 恥ずかしい! 恥ずかしい!」

なんでもないなんてことはなく、恥ずかしさがぐるぐると頭を回っているうちに会計が終わり、店員から紙袋を受け取って店を出ました。

 

「洋服は欲しいけどお金がないなぁ。それよりも来月の支払いどうしよう、本当にピンチだよ」

肩にかけた軽いはずの紙袋が、ずしりと重く感じました。

 

 

その頃の私は「人からどう見られているか」を気にしていました。

 

どうしてそんなに気になっていたか後に気づくのですが、当時は「明るく可愛いらしい人」を演じないといけないという思い込みがありました。

本当の私は腹の中がドロドロと黒くて、人に見せたくないと思っていたのです。

 

そのため毎月大量に洋服を購入し、美容院で髪型を整え、外見を繕うことで武装をしていたのです。

 

その代償はお金と心でした。毎月クレジットカードの請求額を支払うとカツカツになり、足りない時にはカードローンで借りるという生活を送っていたのです。そのことが大きな心と財布の負担になっていて、毎月の支払日近くになると500円で過ごし、「私はなんて惨めなんだろう……」と落ち込む生活を送っていました。

 

見栄の塊で綺麗にしている一方で、見せかけの自分を生きているので、心からの安心はありませんでした。

 

「さやかちゃんて、本当に明るくていい子だよね」と言われると、人に見せたい自分を見せられていることに満足し、喜んでいました。同時に「本当の私のことなんて、誰も知らないんだ!」という寂しさと虚しさがグッとこみ上げてきて、辛くなることがよくありました……。

 

友人の中にはお金の使い方について心配をしてくれた人たちがいましたが、「うるさいなあ。そんなこと言って私のことが羨ましいんでしょ!」と思い、心配してくれる人たちと距離を置くようになっていきました。

 

人からどう見られているかばかりを考えて、「自分の幸せっていったい何か」を考えたことがありませんでした。

 

そして私はずっと自分のことを孤独な人間だと思い、そんな自分を周囲に悟られないように明るく振る舞っていたのです。

 

そうやってどんどん心の虚しさ、知ってもらえていない孤独感を募らせていきました。

 

 

しかし、U理論との出会いが私を変えていきました。

 

U理論とは、アメリカのマサチューセッツ工科大学で生まれた、イノベーションを起こすリーダーシップを開発する実践的な手法です。

 

「変わりたい!一皮剥いて自分を変えたい!!」

そんな思いが芽生えはじめていた頃U理論と出会い、学びと自分の環境での実践を繰り返していきました。

 

見栄を張る理由、孤独だと思う理由、寂しさと虚しさの理由など、今まで当たり前で疑問にすら思っていなかった自分自身の謎がどんどん解き明かされていきました。

 

謎が解き明かされて行くにつれて少しずつ心が軽くなっていったのです。

 

心が軽くなって行くと、「明るくていい人」の振りをしないで済むようになりました。振りをしない自分は気楽で、その自分を肯定してくれる言葉も素直に受け取れるようになりました。

 

肯定してくれる言葉を素直に受け取って行くにつれて現実が変わっていったのです。

 

自分自身を大切にしていくことによって、奇跡のような出会いが増えました。

 

キャリアに関わる仕事がしたいとキャリアカウンセラーの資格を取得していましたが、大学で就活生のキャリアカウンセリングの仕事をする機会を得ました。

 

誰にも相談できないようなことを話し、率直な意見で視点を変えてくれる友ができました。

 

講座やセッションを募集したら「私も変わりたい!」という方が来てくださるようになりました。

 

私を愛してくれて、大切に想ってくれる人と出会い結婚しました。

 

もう孤独感はありません。

見栄を張ることもありません。

寂しさや虚しさもありません。

そういった心を穴埋めする必要もありません。

 

自分らしく生きていくことがこんなにも気楽で幸せなことだとは、着飾って武装していた頃の私は知りませんでした。

 

今は自分が着たい服を着ます。

それはあの頃のようなお金をかけたものではありません。

しかしあの頃よりも似合っているでしょ! と、笑顔で言えます。

 

一皮剥きたい。

孤独を感じる。

寂しい。

虚しい。

変わりたい。

 

そう思っていた頃の自分が愛おしく感じます。

自分のことをそう思っているあなたのことも愛おしく感じます。

 

そして今、私は過去の私と同じように「変わりたい!」という思いを受けて、個別セッションを実施しています。

 

変わりたいと思っていないならそれはそれでいいと思います。

しかし、変わりたいという思いを私は心から受け止めます。

 

私はあなたの心の扉を開ける鍵になります。

だから変わりたいと思うあなたのことを、パーソナルセッションでお待ちしています。

 


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