少し前に、「カレーライスを出したら、『スプーンがないよ。これ手で食べるタイプ?』と言った夫に、黙ってスプーンを出した妻の話し」が少し前にネットで話題になりました。
気になったので全て読んでみたら、すれ違った末に妻が6年間口をきかないという内容でした。
私は人間関係を変えるコーチングをしており、過去の相談全て含めると2000人以上の方の相談に乗ってきています。
そんな私が思うに、夫婦生活は一枚のシャツみたいなものなのです。
シャツのボタンを留めていると、いつの間にかどこかのタイミングでボタンがかけ違っていたりすることがある。それを最後まで留め切ったところでボタンのかけ違いがなくなることはありません。
カレースプーンの夫婦も、まさにすれ違い生活を続け過ぎて、ボタンをずっとズレたまま留めているシャツのようでした。
では、一度ボタンがかけ違ったシャツは元に戻らないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。かけ違いを無くし、新しくやり直すことは可能です。
ではどうやったらかけ違いがなくなって、10年、20年、30年とお互いに尊重しあえる夫婦になるのでしょうか。
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冒頭の「カレーを手で食べろってこと?」という話しも、ボタンのかけ違いの一部にすぎません。
どちらかに非がある話ではなく、そして
「夫が黙って取りに行ったらいいじゃない!」
「妻が『そうよ手で食べるのよ』とユーモアで返したらよろしい」
という簡単なことでもありません。
ボタンはかけ違いは、2つの要因によって生じていきます。
1つは、日常に普通にあふれていることです。
新婚の頃、こんな会話をした覚えはないでしょうか。
「今日のごはんも美味しいね!」
「うふふ、ありがとう。愛情込めて作ったのよ」
「こんなごはんを食べられて幸せだなあ!」
「私も幸せ。あ、ごはん足りない?もうちょっとよそってくる?」
「うん。よろしくね」
この会話には妻の首を締める言葉が入っていましたが、お分かりになりましたか?
それは妻の気配りで言った、「あ、ごはん足りない?もうちょっとよそってくる?」です。
夫が要望してないことでも汲み取って、先回りをすること。夫にとっては幼い頃に母がしてくれたように心地良いことでしょう。
しかしこれをやってしまうことで、
「この先もこうやって色々なことをやってくれるんだろうな」
と、夫が無意識に期待をすることになります。
また、こんな会話にも心当たりがないでしょうか。
「皿洗い、俺がやってあげるよ!」
「ありがとう。よろしくね」
「ふー、終わった。綺麗になったでしょ」
「う、うん。ありがとう……。(水回りビッチャビチャ!それを拭いてキッチンを綺麗にして洗い物が完了って言うんだけどな。もういいや。次から自分でやろう)」
「どういたしまして!(仕事で疲れていても洗い物やる俺、イケてる!)」
ここには「もういいや」という諦めがありました。
妻としてやってくれることは嬉しいのですが、自分の期待値を踏み外されています。にも関わらず、やったと思っている夫がいるのです。
そしてふたつの会話の中にある共通ワードこそ、ボタンのかけ違い要因のひとつです。
それは「期待」です。
この期待値を自分が踏み外し続けると、相手に不満が溜まっていく。だからこそ期待値を調整することは夫婦関係において大切なことなのです。
妻は今後もずっとお母さん的役割を担いたくなければ、
「ごはん足りなかったら炊飯器にあるよ」
と、行動ではなく言葉で情報を伝えてみる。
夫は妻にニコニコして欲しかったら
「俺がやった家事で、雑なこととかやり残していることあったら言ってね」
と、妻が求めているレベルを知る。
こうやってお互いに期待値を調整していれば、お互いの期待値を大きく踏み外すことはありません。
そしてもう1つの要因。
それは「反応スイッチ」です。
反応スイッチとは、相手の何気ない言葉や行動にボタンを押されるように反応的になり、怒りが湧くというものとイメージしてください。
ここにも日常に反応スイッチが押される会話が転がっています。
「今日のごはんは味が薄いね」
ここで、妻のスイッチオン!
「休みの日だからってゴロゴロしないで」
ここで、夫のスイッチオン!
何気ない会話だけれど、こんな何気ないことであっても相手が勝手に反応的になるのです。
ではその人はなぜ反応的になるのでしょうか。
その理由は、「今日のごはんは味が薄いね」と言われたら妻は無意識に「ごはんくらいうまく作れよ」と責められているように感じ、スイッチが作動する。
「休みの日だからってゴロゴロしないで」と言われたら夫は無意識に「邪魔!」とないがしろにされているように感じ、スイッチが作動する。
無意識に◯◯と感じた時、反応スイッチが押されるのです。
コーチングをしているとこんな会話になることがあります。それもひとりやふたりではありません。
「子供を夫にお願いしようと思うと、夫が嫌そうにするから頼めなくて」
「嫌そうって、具体的にどんな感じなんですか?」
「うーん、嫌そうな顔をしている感じがするんです」
「何か言われたりしますか?」
「いえ、言われません。でも不機嫌になるとあの人顔に出るから……」
「じゃあ今回は思い切ってお願いしてみたらどうでしょうか」
「わかりました……」
そして後日、
「夫にお願いしたら、笑顔でいいよって言ってくれました!嫌そうにしているのは、私の思い込みだったみたいです!
よく考えてみたら、母親なら子供は自分で面倒見るもんだって思ってました。今回やってみて、夫は頼ってくれると嬉しそうだって気が付きました!」
不機嫌だと思い込んで無意識のスイッチが押されて予想では悪い方向へ行くと思っていたのに、実際行動してみると現実は良い方向に行く、ということはよくあります。
私も結婚しており、私たち夫婦も喧嘩をしたことがあります。ただ、その度に「無意識に◯◯と感じる」ことを内省して相手に話すことをしているのです。
「なんで家のこと一緒にやってくれないの!」
と私が怒り、夫が慌てふためくことがありました。
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夫に対しての怒りとともに、なんで私はこんなに怒っているのだろうかと内省したら「夫が背中を向けていて寂しいと感じている」ということに思い至りました。
そして
「背中を向けられて寂しかった」
と夫に話したのです。
すると夫は私が無意識に感じていたことを知り、「だからそんなこと言ってたんだ!」と合点がいきます。そこから改めて会話するとたいてい誤解に気が付く。その結果、反応スイッチが押されにくくなっていくのです。
夫は
「ごめんね」
と言ってくれて自分が悪かったといってくれました。しかし、実は私が行きたがっている場所やお店についてリサーチをしてくれていたということを、私は知ることになりました。
「夫が背中を向けているのが寂しい妻」
「妻が喜ぶために考えている夫」
というお互いのことが分かったら、どんなことが起きると思いますか?
相手を深く理解をすることができて、夫婦仲が深まっていくんです。
「もう私たち(俺たち)ダメかもしれない」
「本当は私だって(俺だって)怒りたくない」
「元に戻せる方法があるなら知りたい」
「あんな言い方して悪かったかな……」
こんなふうに夫婦生活をどうにかしたいと思ったら、ボタンのかけ違いのように元に戻すことができます。
※夫婦のボタンのかけ違いを無くすことにご興味がありましたら、続いてこちらをご覧ください >>
ほんのちょっと意識を変えてみると、ボタンがひとつひとつ正しくはまるように、夫婦生活もピッタリしていきます!
それをを実現して、あなたの、そして家族の幸せを味わってくださいね。